彼女の知らない彼女

彼女の知らない彼女
第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞
なんだか悲しい。これってSFじゃん。なのにSFの賞に応募するんじゃなくてこっちに応募するのか。まあ、こっちのほうが優勝賞金いいし、こっちのほうが大きいから仕方ないけど、やっぱ、悲しい。SF衰退してるのがひしひしと感じられて(´;ω;`)
最初は友人の演劇を見る夏子。劇の内容は人生は決まっているのか量子論の世界なのかという話。自由意思はあるのかないのか会話してる。
で、次は全く世界が違っていて、次のオリンピックは東京。金メダル候補のコーチをしている村上は彼女を選考レースに出させたくない。彼女が故障中だからだ。しかし、会社側から選考レースに彼女がエントリーして優勝しなければクビを宣告される。いま、彼女を走らせれば選手生命が立たれる。悩んでいるところへ、パラレルワールドへ移動できる装置を開発したというマッドサイエンティストが現れる。彼のおかげでいくつかのパラレルワールドへ行き、夏子を見つける。夏子は走ったことがなかったけれど、走る才能があった。で、選考会に優勝する。
その間の夏子の心の移り変わりがいい。
そして元の世界に戻り自分の好きなことをしようとし始める。
とても、いいお話。
星四つ。