一瞬の風になれ

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
ホントに面白い小説だった。この前の箱根駅伝の話も非常に面白かったけれど,これも又最高だった。σ(^^)スポーツって見ないのにな。オリンピックだって開会式しか見てない。そういうσ(^^)が夢中になるスポーツ小説って凄いな。
これも又ノダメと同じで天才たちのお話。
でも,天才も練習しないとただの人になるのね。千秋君も必死で練習したっていうし,ノダメちゃんも必死で練習する。
この主人公新二はサッカー一家に生まれ中学までサッカーをしていた。だが,彼はサッカーの天才である兄健一と自分の違いを感じサッカーをやめてしまう。兄のような天才的プレイヤーがいなければ彼もそれなりのサッカー選手になれたのではと感じさせられた。
新二には幼なじみにショートスプリンターの天才連がいた。だが,連は才能はあるけれど,やる気がない。中学で認められたのに,監督との折り合いが悪くさっさと陸上をやめてしまう。二人は同じ高校に入り,陸上部に入部する。
兄と連。兄をみてサッカーをやめたけれど,新二は連を見て彼のように走ろうと思う。
ここの監督の三輪先生が連にはあっていたようだ。
三輪先生ははっきり言う。自分はやる気のない生徒の尻をたたいてまで練習させるようなことはしないと。三輪先生の先生だった大塚先生はシリをたたくタイプ。どっちが好いとも悪いとも言えない。それは結局は生徒との相性なのだから。
連は走ることは天才的だけれど,練習も好きじゃなくそのため体力が続かない。
その連が怪我を押してまで四継と言われるリレーに出ようとする。今年最後になる三年の先輩のために。ゴーイングマイウエイだった連がいつの間にか変わっていくように,新二もどんどんスピードを上げていく。
バトンの練習とか走り方の方法とか詳しく書いてあるのにそれが夢中で読ませる。
早く走るためには美しく無ければいけないのね。だから走る人は美しいのか。
一年,二年,三年と変わっていく連と新二。彼らと同じ陸上部の仲間たち。そして他のライバルたち。
高校を卒業した彼等の成長が見てみたいと思わせられる素晴らしい小説だった。