女王国の城

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

舞台は、急成長の途上にある宗教団体<人類協会>の聖地、神倉。
大学に顔を見せない江神を案じたアリス達推理小説研究会の面々。
江神が神倉に向かった痕跡を見いだし、神倉へ向かうアリス達4人。
<城>と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけずに殺人事件に遭遇。
だが、協会の人々は警察には連絡せずに、彼ら5人と居合わせた二人を閉じこめる。
そして続く殺人。その続く殺人の凶器は11年前の殺人で使われて、無くなっていた羽津の拳銃。この拳銃はどこから出てきたのか。警備の厳重な<城>にどうやって持ち込まれたのか。謎は謎を呼ぶ。そして、」なぜ協会の人々は警察に通報しようとしないのか。7人は城から脱出して何とか警察に通報しようとする。
町中が<協会>信者のようなところで逃げられない彼ら。
で、最後には江神が犯人を突き止める。11年前の未解決の事件の解決も。11年前拳銃が消えたのは偶然のこと。殺人現場を詳細に見たはずの巡査には盲点があった。子供が偶然そこにいるなんて、自殺した人物も知らなかったし、目撃した巡査も気が付かない。拳銃もって逃げ出したのにも気が付かない。言われ見れば納得。
で、この事件の犯人の動機というのが、教祖の予言をはずすためって言うのが、何とも言えない。教祖の予言で狂ってしまった自分の人生を復讐するためだったなんて。江神も母親に若死にするって予言されていたのよね。
で、<協会>の面々が警察に知らせなかったのは、代表が誘拐されていたから。
よそ者である彼らに言えなかったのも分かるけどね。それで密室ものになるんだね。
この話ってバブル後半が舞台になってる。彼らが登場したときからきちんと時系列にしてるのね。携帯ないから外に電話できない。っていうのが時代感じさせられるな。
アリス達は江神がなぜこの地に来たか知りたがるが最初、江神は言わない。だが最後にこの地にいる父に会いに来たことが分かる。不吉な予言をした妻と子供達をおいて失踪した父。江神はどういう気持ちで彼と出会ったのか。
彼を案じるアリスとマリア。就職活動中なのに一緒に探しに行く望月と織田。なんだかいいよね。でも、江神も織田も望月ももう卒業。
この話の次が書かれることがあるのか。
そのとき彼らはどうなっているのか。
読みたいけれど、読みたくないような。
しかし、これも読むのに往生したわ。
アイオーンとかこういう考える本もたまには読まなくちゃね。