アイオーン
- 作者: 高野史緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/10
- メディア: 単行本
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というところが第一話。中世ヨーロッパの暗黒時代を描いてる。で、設定がローマは科学文明が進んでたんだけど、悪魔によって滅ぼされて、その後歴史の教科書に書かれているような事が起きていくのだけれど、やっぱ、微妙に変えていくところがSFなのよね。キリスト教に輪廻転生思考が入ってるんだもの。あれ、無いよね、キリスト教には輪廻転生。合ったっけ。で、この時代の人は放射能の影響でどこか奇形で生まれるのよね。徳を積めば五体満足で生まれるって言われてる。これは放射能の影響だってファビアンに教えるのがアルフォンス。アルフォンスは科学を極める旅にファビアンを誘うけど、ファビアンはことわる。
これって連作なのね。中でファビアンが出ない話が二つ。
一つはアルフォンスが砂漠の中の女人国パルミラへ潜り込む話。この国に女しかいないのは遺伝子操作されているためなのね。で、砂漠に迷い込んだ男を助けるんだ。アルフォンスがこの国から出た後、この国は巨人に滅ぼされる。この巨人が後々問題になる。本当はパルミラはどこに滅ぼされるんだっけ。で、もう一つがアーサー王異聞。ここでは、アーサーは女なのね。で、パルミナの女とアルフォンスの子供。妖姫モルガンもパルミナの女とアルフォンスの子供。巨人から逃れてログレスにのがれ、そこで成長し王になる。それから先はいわゆるアーサー王伝説になるんだけど、モルドレッドはアーサーのクローンだったって言う話になってる。で、アーサーは巨人と戦うときまで眠りに落ちる。この辺はアーサーの死体を精霊達が運んでいくというアーサー王伝説をなぞってるね。
で、やっとファビアンが出てくる。いろいろな場所をさまよう内、信仰と科学の折り合いをつけてきたファビアン。教皇使節の随員となりコンスタンティノポリスに向かう。
この話って実際の歴史を知ってるともっとおもしろく読めるんだろうなとおもう。まあ、実際の歴史なんて強者が自分のいいように書いているところは多々あるけれど、それでも、もっと楽しめたと思う。アーサー王伝説知っていたからなるほどって思ったところもあったし。最後にファビアンがアビニョンの教皇になっているところも、確かにアビニョンにも教皇板よねっていうこと知ってると楽しく読めるものね。
でも、巨人と戦うとき軍師の様な存在であるファルって何者なのだろう。書いてはあるけれど、ファビアンは彼をどこから連れてきたのかな。彼とアーサーの関係って何。この辺がよく分からなかったな。
この人の話こういう歴史改変ものっていうのか、歴史をちょこっと違う話にすること多いよね。で、なんか翻訳ものみたいな文章でちょっと読みにくいと言えばそうかな。
私がラノベばっか読んでるせいで、ちょっとでも堅い本が読めなくなってるのか。
まずいな〜。そうじゃなくても読解力落ちてるのに。