神野悪五郎只今退散仕る

神野悪五郎只今退散仕る

神野悪五郎只今退散仕る

紫都子は13歳,ある7月の終わりに舌の長い妖怪に出会う。
そしてその夏祖母の古い屋敷でひと夏をすごすことになる。
祖母のやり残した仕事をするために。
紫都子は祖母と同じで何事にも怖がらない性格だった。
祖母は人間の怨念にとりつかれた妖怪をその怨念から取り除くことを妖怪神野悪五郎から頼まれたのだ。だが祖母は失敗した。
そのため人間世界にも妖怪たちの世界にも悪影響がでてきたのだ。
もし彼女が失敗するととりつかれた妖怪を滅ぼさざるを得ない。
妖怪たちはそれを避けたかったのだ。
意思の力だけが怨念に対抗出来る。
最近妖怪のでてくる話って多いけど,これまたうまく出来てる話だわ。
妖怪は別によくも悪くもない。人間の怨念が一番恐ろしいって言うのが,分かるから恐ろしい。死んで怨念だけが残ってるのよね。
主人公の紫都子も好いけど,おばあちゃんと妹がいい。
妹は恐がりだけど,でも,自分がここにいる必要があると感じて必死で踏みとどまる。
彼女の方が偉いよね。
最後の締めは彼女がしたんだもの。
妖怪たちも可愛いのやきもちわるいのやかっこいいのとか色々いて魅力的だと思うわ。