天と地の守り人

天と地の守り人〈第1部〉 (偕成社ワンダーランド)

天と地の守り人〈第1部〉 (偕成社ワンダーランド)

守り人シリーズの最終話。これだけまだ読んでなかったんだわ。
旅人シリーズと守り人シリーズが一つになる。
この前の巻で生死不明になったチャグム。
チャグムが生きていることを知ったバルサは彼を助けようとロタ国へ向かう。
そしてバルサはチャグムがもう昔彼女が助けた幼気な子どもではなくもう立派な施政者であることを知る。
そして、自分の事より民の為に何をなせるか考える。
そして父とは違う道をさがす。
しかし,タルシュ帝国の危機とは別に,新ヨゴ国,サンバル帝国にはナユグの春が来ることにより,こちら側サユグにも影響があり,これからの災いが襲ってくる。
チャグムは両方の危機から国と民を助けられるのか。
そして弟の代わりに草兵として戦いにでざるを得なかったタンダの運命は。
チャグムの父帝の最後の姿勢というのは,彼の育てられ方とその後の人生から考えるとそうせざるを得ないことが分かる気がする。
チャグムも精霊の守り人に選ばれず,ナユグを見ることも,そのまま宮をでることもバルサに合うこともなかったら,父のように生きてしまったのではなかったのだろうか。見える世界の争乱と見えない世界からの脅威を両方見えるチャグムの苦悩。
本当にチャグムは大きくなったわよね。
苦悩にしても,自分の事でうだうだ悩んでいるのではない。どうしたら民たちを助けられるかということを考えてる何てすごすぎ。
本当に読み応えのある話だった。
この巻読むまでバルサとタンダはプラトニックな関係だと思ってたわ。
児童書だものね。でも,これ読むと大人の関係だったことが分かる。まあどこからも問題のないお互い思い合ってるいい年をした男女だものね二人は。
其れとない回想で其れが分かるっていい感じ。
二人が一緒になれないのは,ただただバルサが落ち着かないからだものね。
でも,タンダの命を助けるために自分を抱きしめたタンダの腕を切り落とすバルサの覚悟って何ともいえない。
でも,最後に家に帰ってきてタンダが元気でいてほっとするところが好いわよね。