乱鴉の島

乱鴉の島

乱鴉の島

数ヶ月前思い切り有栖川有栖の作品読んでいた時期があった。
で,これはそのころ出たばかりで,すぐ図書館にリクエストしたのだが,やっと読むことが出来た。
久しぶりの火村と有栖。
二人の会話が読めるだけでうれしい。
仕事で疲れきった火村。彼を下宿のおかみさんが心配して有栖とともに旅に出す。
火村は自分の事には無頓着だわよね。でも,彼にちゃんとついていく有栖は何て言うか優しいッテ言っちゃうと違うな。なんと表現したら好いんだろう。
しかし,彼らは予定していた島ではなく,別の島に着いてしまう。
そこには海老原というカリスマ的な作者ヲ含む11人の男女がいた。
11人ってところにすぐ反応するって悪い癖よね``r(^^;)ポリポリ,。
最初は拒否されていたが,中にいた子どもたちが二人を気に入ったことによって,何とかその家に泊めてもらえることになる。
子どもたちが自分の本読んで面白いって言うので,喜ぶ有栖が可愛い。
子どもたちは可愛くて賢いって思っちゃうんだものね。
そこへ,彼ら以外に闖入者。
カリスマ的な経営者である初芝である。
そして起こる殺人事件。
火村はこの事件はありふれた物だという。
確かに犯行のきっかけはありふれている。
しかし,この島に集まっている人々によって,ありふれた犯罪が珍しい事件に変化していく。
この島に集う人々が何を望んでいるのか。
これが,ありふれた事件を複雑な物にしていく。
電話線が切られた理由が秀逸。凄く現代的。
納得出来てしまった。
初芝は殺されても仕方がないような性格だが,彼が語るビジネスビジョンは素晴らしいと思う。
こういう事したいとかおもってしまった。
今回有栖は火村が事件解決するための助力としてきついことを容疑者たちに放つ。
彼ってこういうタイプじゃないのよね。
でも,火村が事件解決するためには何だって協力するのね。
有栖って好いわ。