ころころろ

ころころろ しゃばけシリーズ 8
長崎屋の病弱の若旦那と妖たちのお話。
短編なんだけど、若旦那が目が見えなくなり、ナントカそれを直そうとする仁吉と佐助と妖たちの奮闘のお話でもあるかな。
若旦那の目を治そうと、頑張る仁吉が妖見える子供や、人形の妖、その他の妖たちに頼られてあせる話が面白い。
佐助は佐助でこれまた困った羽目になるんだけど、女がらみって言うのが、佐助らしくなくて面白い。
一話目の若旦那の初恋話もいいわ。周りの人たちは、若旦那が恋してるってわかるんだけど、若旦那だけが、何故その女性が気になるかわからない。なんかかわいらしい。
若旦那の目が見えなくなったのは、ある神様のせいなのだが、この神様がかわいそう。
永遠ともいえるくらい生きる、神様の時間感覚と人の時間感覚は違うということが悲劇を生むのね。
でも、この神様、神様とも思えないような罠にかかってつかまっちゃう。
鳴家と同じところがなんとも。
この神様とのお話の最後の話に「ももたろう」について妖たちがいろいろ言うところがあったけど、こういう風に考える人って多いのね。わたしが講談でやった「ももたろう」もそうだし、「東京ゴージャス」でやった桃太郎もこういうニュアンスあったわね。
やっぱ、この人の作品っていいわよね。