ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)
短編集。
表題作は今一だったけど,それ以外は面白かった。
どの作品も男の子と女の子の淡い思いがテーマかな。
恋愛物って得意じゃないけれど,それぞれの調味料が興味深かった。
「大きくなあれ」は周りから仲が好いと思われている二人。
そのころ記憶がだんだん無くなる風邪が流行った。直れば元に戻るけど,それまで記憶が幼い頃に後退していくのだ。幼くなっていく彼女と一日つきあう男の子。
何となくいいのよね。最後に男の子が映るんだけどね。
そのほかに死者が戻ってくる話や,図書館に居着いている神様の話なんかがある。
偶然過去の女の子とガラス越しに出会う男の子の話もある。
一番気に入ったのは「むかし,爆弾がおちてきて」かな。
ある町に,昔戦争があったとき爆心地にいた女の子が時間の中に取り残される。
主人公のおじいさんは彼女と関わりがあった。そして最後に男の子が選んだ道は。
この子が全然深刻じゃないところが好いよね。
どの子も深刻じゃないのに,一生懸命なのがいい感じ。
たまにはこういうのもいいな