算法少女

算法少女 (ちくま学芸文庫)

算法少女 (ちくま学芸文庫)

この小説の元になる同題の小説が江戸時代にあったそうだ。
其れは算術の解き方を無名の少女が書いた物だそうだ。
江戸時代算術が非常に流行ったと云うことは聞いたことがある。
それが,西洋算術に飲み込まれてしまった。
西洋算術にも劣らない物があったのだが,この本読むと,算術家同士の相手を貶めて自分たちの名をあげようとする事によって,廃れてしまったんじゃないかと推察する。
この主人公の少女もその争いに巻き込まれて大名家の指南役を務めるはずが,駄目になってしまう。
だが,彼女は其れを気に病まず,自分の進む道を選んでいく。
好い小説だったけれど,途中の算術の解き方が難しい(-_-メ),
最初の彼女が間違え見つける幾何学なんてσ(^^)にはさっぱり解らない。
江戸時代に江戸時代の人々はπを導き出す争いしてたなんて,本当に江戸時代は奥が深い。
だいたい自分で解いた算額を奉納するのが流行なんて凄すぎだわ。
そして大工になるのも算術が無くちゃ駄目か。云われてみれば当たり前だよね。
この小説数学の先生たちが復刊に寄与したとか。
後書きが感動的だったな。