笑酔亭梅寿謎解噺
- 作者: 田中啓文
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08/18
- メディア: 文庫
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ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (笑酔亭梅寿謎解噺 (2))
- 作者: 田中啓文
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/08
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大酒のみの師匠にどつかれけなされ逃げることばかり考えていたが,だんだん古典落語の魅力に捕らえられていく。ひたすら我慢の噺家修行に続発する怪事件。
一巻は怪事件がメインで進んでいくけれど,二巻はだんだん芸がメインに成っていく。
この部分が好いんだよね。
竜二は師匠も兄弟子たちも実力があるって認められてる。
でも,そんなことは言わない。
そして,竜二はだんだん成長していく。
一話一話が落語のストーリーに重なっていくところって,「タイガー&ドラゴン」みたいだけれど,こっちの方が先に出来ていたんだよね。
全部で14話あるけれど,知ってる噺は五つだけ。そのうち一つは陽司さんの講談の時聞いたんだな。もっと,落語も聞きたいものだ。
そう言えば蛇含草の噺。関西ではお餅。関東ではお蕎麦なのよね。
前にお餅でやってた人になんで蕎麦じゃないか聞いてみたら,餅しかないって言い切ってた。本職の噺家なのに。
で,その後小松左京さんにお会いしたとき伺ってみたら,上の解説してくれた。
本職の噺家が知らないなんてあきれちゃうわ。その人真打ちだったんだけどね( ̄○ ̄;)。この作品何時もの作者の作品より暴力的な所やグロテスクな所が凄く薄い。でも片鱗は残ってるね。 面白い話でした。