双頭の悪魔

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

非常によく出来た推理小説だわ。
前の事件の為に心に傷を負ったマリアは他人を寄せ付けない芸術村にこもったまま出てこなくなった。
彼女の説得を彼女の両親に頼まれたアリスたち推理研の一行。
彼女のいる村は橋が架かっていて,江神のみがその村にはいれたところで,橋が大水の為に流される。
そして江神・マリアのいる村でも,アリスたち三人がいる村でも殺人事件が起こる。
アリスはワトソンじゃなくちゃんとホームズ役やってるのが偉い。
江神と一緒だとつい甘えて考えることしていないのかも。
それとも江神がいないから頑張ろうと思ったのかも。
話が江神側のマリアの語りとアリスの語りに別れて交互につづられる。
そのへんが混乱のもとではあったのだが,緊迫感が増したかも。いらいらしたけどね_(^^;)ゞイヤー
でも,犯人が最後まで分からなかったのが悲しい(T_T)
やられたってところ。
交換殺人の一種だけれど,両方の犯人は交渉相手が自分では手を下さず,黒幕でいようとはしていたとは思わなかったろうな。
アリスが書いている推理小説が火村が出ているのかな。
火村と江神はパラレルワールドにいるのね。
江神の内面が少し見えてきたような気がする。
なんて思ったりしてこの巻はとてもいい巻だった。