戒
- 作者: 小山歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/12
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
これは全くSFらしいところなどかけらもないのに,非常に面白かった。
σ(^^)ってこういう風に起承転結がはっきりしていて,解りやすい話,好きなよね,こういう話。
舞台は古代の朝鮮半島っぽい。
で,戒は名君と言われた明君の乳母の子で,将軍の長子。
本当なら将軍にも宰相にもなれるくらいの優秀な子供だった。
しかし,母の「王より優秀であっては成らない」と言う呪惑に囚われて,道化に成り下がる。
おまけに王が本当に名君ならよかったのだが,彼は昏君とまでは行かないけど,タダの凡人。これがだめなのよね。
しかし,そういう自分に嫌気をさし,自分を哀れんでいる。
でも,そのために自分だけじゃなくて,周りの人まで不幸にしてしまう。
そして,ある人に「自分が何者であるか知ることではなく,何者に成るか選ぶことだ」
そしてやっとその言葉の意味にたどり着く。
そしてやっと母の呪惑から離れて,生きて死ぬことが出来る。
★★★★かな。