BH85

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ファンタジー大賞優秀賞受賞作。
この賞って面白い作品を世に出すと思う。
これもまた,面白い。
これってSFよねと思う。
でも,これがファンタジーと銘打たれて出版されてるのってちょっと悲しい。
ある毛髪料メーカーの有る開発者が会社に内緒で育毛剤を開発した。
その育毛剤は毛髪状生物だった。
一本しか市販されていなかったが,使用していた人物が癌化細胞を研究している科学者で研究中に癌化細胞をかぶってしまったのだ。
で,毛髪状生物と癌化細胞が融合し,世界中の植物,動物,諸々の物が融合してしまった。
しかし,何人か融合しない人物が残った。
その人たちのサバイバルな話だけれど,サバイバルっていっても,深刻じゃなく,融合生物たちといろいろな話をしたりするのだ。
残ってる中の一番年長のおばあさんが一番かっこいいよね。
食べ物が無くなってくると,融合生物たちは悲壮感無しに何の問題もなく自分たちを食べるように言う。
深刻じゃなく,のどかな雰囲気がとてもいい。
融合生物たちを食べると,誰かの記憶まで食べていることになる。
なんだか不思議な話だったな。