鹿の王

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐
敗戦間近の故郷の価値を高めるために絶望的な戦いをした戦士団<独角>。その頭であったヴァンだけが生き残り奴隷として生き残るもののいない岩塩鉱に送られたってあらすじに書いてあったので、ヴァンの復讐譚かと思ったら全く違ってた。医療ファンタジーだった。どうして病気になるかということをいろいろ語っている。ワクチンという言葉は使っていないが、ワクチンがいかに大切かということがよくわかる。半ワクチン派のわからんちんの方々に読ませたい。日本医療小説大賞とったというのがよくわかる。<独角>は故郷のためにあえて死兵となった英雄でなく死に場所を求めていたものばかりというのが悲しい。自殺すると家族が待っている地にいけないから死に場所を求めてはいる場所。というのが悲しいな。でも、もう一人生き残った子供を育てることにより生きる意欲がわいたのが良かった。
この人本当に素晴らしい小説書くな。登場人物がしっかりした考えか保っているところもいい。読み終わって読んでよかったって思わされるところも素敵。