火星の人

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
これは今年の青雲賞受賞作。私投票当時読んでなかったので読んで非常に面白かった「レッドスーツ」に投票したのだが、これは久々のヒット作だ。すばらしいSF。「レッドスーツ」はとある作品のオマージュなんで元を知っていないといまいち楽しめないかもという作品ではあるが、これは違う。
これがデビュー作って凄すぎる。
内容は火星探検で事故に巻き込まれた主人公がどうサバイバルするかってだけの話。それがすごく面白い。
主人公に襲い掛かる危機は陰謀や火星の生命体とかはまったく出てこずに、こういう事も起こる可能性があるっていうことだけ。
それだけで話が進む。読んでいるほうも次は何が起きるのか、主人公がどう対処するかってはらはらどきどきしながら読み進む。主人公を助けようとする人々の動きもとてもいい。これ映画化もされるそうだが変な演出せずにそのまま作ってくれたら面白いものになるかもと思う。
本当にすばらしい作品だ。SFファン以外にもお勧め。