精霊の守り人

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

初めて読んだのだけれど、非常によく出来ているファンタジーだわ.
無闇に魔法を使って解決しないところも好い.
こういう話が読まれると好いな.
某有名小説より面白いと思う.
主人公が陰を背負っているッテ言うのはセオリー(爆)だけれど、彼女があまり若くないところが好い.しかし若くないって言っても、30過ぎぐらいで中年って言う表現はないと思う(;_q))クスン,まあ、児童文学だから仕方ないのか.
主人公バルサは用心棒.偶然新ヨゴ国の第二皇子チャグムを救う.
あちらの世界<ナユグ>からこちらの世界を見守る精霊は、100年に一度こちらの人間に宿り新しく誕生する.チャグム皇子はそれに選ばれたのだ.
その結果父である帝(チャグムに宿った物を悪しき物と認識している)とチャグムの中に宿る卵を狙う怪物に命を狙われる.
で、バルサはチャグムの用心棒になる.
バルサは友人の呪術師タンダ、その師トロガイとともにチャグムを守る.
この世界の成り立ちがよく描かれていると思う.
登場人物もよい.
チャグムを悪しき物と見る聖導師ヒビ・トナン.野心家の星読み博士シュガなどの人物もうまく書けている.トナンは悪意をもってチャグムを狙う訳ではない.悪意を持っている人がいないのも気持ちいいところかもしれない.