ワン・オブ・アス

マイケル・マーシャル・スミス
時は21世紀、」脳の電磁波的な解析によって夢や記憶を外部に取り出す技術が実用化され始めた時代、「不安夢」をみたくない人たちが別の人に転送して「代わりにみてもらって」夢を処理していた.それを行っているのがレムテンプ社.主人公ハップは、この夢の処理の第一級の才能を有していた.しかしレムテンプ社では、裏で、持っていては行けない非合法な記憶の一時預かりもしていた.
ある時、ハップはローラという女の記憶を会社に内緒で預かった.預けたローラはそのまま逃げてしまう.それは殺人の記憶だった.ローラを負うハップ.陰で暗躍する人物は誰か.
その人物が分かり、動機に関してはそれほどたいした話ではない.それだけの話だったら.なんだ〜って感じなんだけど、それ以外にも登場人物がいる・それが何ともぶっ飛んでいる.で、最後の謎証がすごいわ.最初に読んでいて、こういう話になるなんて.まあ、最初のハードボイルド風の、謎解きだけだったら、がっかりしたと思うけど.
その人物以外に暗躍する、グレイのスーツの男たち.そしてダークスーツの男.
彼らは何者か、そして目的は.っていうのが面白い.
星4つと言うところかな.
で彼らが何者かと言うと、グレイのスーツの男たちは天使で、ダークスーツの男は神なんだそうだ.神や天使と人間は昔はおなじ物だった.誰も肉体を持っていなかった.いつの間にか人間は言葉を持ち肉体を持ち、目に見える存在になった.目に見えない者たちを天使や神と呼ぶようになった.目に見えない者たちは我々と接触を持とうとした.彼らが何故この事件に関与したかというと、事件の犯人であるレムテンプ社社長ストラッテンの事業を辞めさせようとしたからだ.記憶の処理によってますます両者が分断されるから.また、彼が殺させたレイ・ハモンドという男を第二のキリストにして、かれらのメッセージの媒体にしようとしていたからだ.ハップにつきまとっていたのは、ストラッテンを捜すためだった.ハップは幼い頃アダプテーションされていたのだ.神はそれには賛成していなかったけれど、干渉しなかった.って、神様っていつもそうなのね.でも、チョコっとハップたち助けたりして.